夜中布団の中で考えること

夜中に寝れなくなった時に考えたことをぽつぽつと書いていきます。専らやらなければならないことのメモ。

四十九日② 個人的覚書の方

死後の手続きについて。

 

手続きをするにあたって大事な書類があります。

 

 まず、戸籍。戸籍の管理はとてもとても面倒。

特に遠方から仕事などの都合を付けて来ている場合、一番のネックになる部分だ。

 まず、各所手続きの際には「死亡を確認できる物」が必要になる。

「死亡を確認できる物」については、とりあえず「死亡診断書」があればいい。ドラマとかでも良く耳にするアレである。

病院で亡くなった場合、死亡診断書は病院で用意してくれる。

死亡診断書は市役所へ提出する「死亡届」と合わせて1枚の紙になっており、それ1枚しか貰えない為コピーが必須になります。

死亡診断書は医師の記入で完成していますが、死亡届は遺族が記入することになります。

もちろん亡くなった故人の情報を記入するため、間違っても私のように自分の名前を記入するという悲しいミスにご注意下さい。2枚目は貰えないので、訂正印を押して色々なところで見せる必要があります。

 さて、これで死亡を確認できる物が用意出来た…わけではなく。

実は死亡診断書だけでは通らない手続きもある為、「戸籍に死亡した事実が記載された物」…「除票」が必要になるのです。

こちらは戸籍の本籍地でしか取得できない為、もし遠方に本籍を置いて引っ越ししてしまった方、ネタで皇居に本籍をおいている方、困るのは遺族です。

遠方の場合、郵便請求によって請求するか実際に現地に赴く必要があります。

郵便請求する場合は2週間は見ておく必要があります(死亡届を現住所へ提出→手続き完了後本籍地の役所へ現住所の役所から郵送→除票の作成→遺族へ除票を郵送というあまりに面倒な郵便リレーが行われる為)

そのため、遠方から来るとこの作業に時間をやたら取られることになる為注意。

 次に必要になるのが「故人との関係を証明できるもの」。

親子や配偶者の場合、普通は戸籍謄本を取れば…ということになりますが。

遺産の管理のためにも「法定相続人」を確定する必要があるので、故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要となります。

これが強敵で、生まれも育ちも…と同じ場所で生まれ同じ場所で死に、他の土地には出ていない!という方なら問題ないのですが。

私の父のように生まれは九州、近畿で働き東海で結婚したタイプであり、婚姻で籍を移したり本籍は現住所と違う同県内の市であったりする場合は大変面倒です。

まず、現住所の市役所で「この名前で取れる戸籍謄本をすべて」取得、その後「転籍」や「改製原戸籍」(戸籍の制度が変わった際に古い戸籍から新しい戸籍に移されたので)の表記がある場合、それより古い戸籍を取得。

この時点で転籍が近畿だったりすると、該当する近畿の役所に「この名前で取れる戸籍を(略)」と郵送請求。送られてきた戸籍から更に古いものがある場合は該当する役所に郵便請求…とおいかけっこをすることになる。

 

ちなみに、死亡手続きを相続含めすべて行政書士にお願いしたい!と丸投げしたい方はお金を叩きつけて下さい。

  • 相続人の調査
  • 登記簿謄本・固定資産評価証明取寄せ
  • 相続人関係説明図作成
  • 不動産価格評価
  • 財産目録作成
  • 遺産分割協議書作成
  • 不動産相続相談
  • 相続関係各種相談
  • 各種名義変更手続き(保険・銀行・車両名義変更等)

これらを大体50~100万程ですべてやってくれます。

遺族がやらねばならぬことは現状を把握することと書類に必死に氏名連絡先を書いて捺印するだけです。

 

書類がすべて用意出来たら、

①死亡届提出・埋葬許可の書類取得・葬儀手続き

②保険(国民・社会・介護・障害等…)手続き

③年金手続き(不足の支払い・過払い返金・未支給分回収)

④住居・その周りの解約(賃貸解約・家財道具の撤去・ハウスクリーニング等)

ライフラインの解約(電気・水道・ガス・携帯・電話・ネット・宅食・デイサービス)

⑥名義変更や解約(銀行・郵便貯金・車・免許・不動産・株式・クレジットカード)

などに奔走することになります。

 

電話は常に話し中や返電待ちで落ち着きません。

メモはスマホにとっておくと通話中不便なので別媒体で取るのが懸命です。

 ①市役所の方がつきっきりで書類の書き方や葬儀の手続きについてどうするか等相談にのってくれます。お金の有る方は葬儀社に任せるのも良いでしょう(業者に寄ってはかなりぼられますが)

お金が無い人は市でお願いすると、市が所有している場合は霊柩車(格安)、火葬場(格安)を利用することが出来ます。

間に市が提携している葬儀社が入りますが、一番安いプランでも全部合わせて10万程の出費を覚悟するべき。これでもかなり安い方です。

値段の主な原因は棺です。遺体と共に焼かれるので消耗品でも良いお値段です。

市や生活保護・国民保険・社会保険から葬祭費の補助が出るので活用しましょう。

ちなみに生活保護に関しては市役所の対応がとても厳しいです。

「死んだ瞬間保護なんて切れてるから、葬儀の代金はご遺族できちんと負担してくださいよ」

とばっさり言われること請け合いです。心が強い方は戦ってみてください。

 

 ②市役所に①の手続きをしにいくと、流れ作業でこちらに回ることが出来ます。

 ③上記同様ですが、年金に関しては年金事務所の管轄になるので最寄り事務所連絡先だけ教えられてポイされます。

全国どこの年金事務所でも手続きできるので、遠方の方は必要書類だけ取得して後回しにすると後が楽です。

 ④普通の持ち家ならあまり困ることはありませんが、賃貸の場合は面倒が増えます。

私の父は賃貸の、しかも住宅公社の物件だったので「入る時・住んでいる時は安いが出る時の負担が大きい」タイプだったので苦労しました。

畳の全替え・ふすまの全替え・日割りにした家賃で合わせて17.5万程(敷金7万5千円を当てても10万円)

 それと、家の家財を全撤去、ハウスクリーニングも行う必要があります。

家財は市役所からリサイクル業者を紹介されます。正直選んでいる余裕がなかったので言われるがままに連絡し、見積もりで18万。

家具家電が多く、古くなり使わなくなった電化製品がゴロゴロしているのが問題でした。

 

(読み返した時点で家の状態と家族のあり方についての無駄で気分が悪くなる記述があったので削除しました)

 

しかし、時間も片付ける元気も交渉する胆力も何もかもが流れ落ちていた自分はそのままお願いしました。

一部家具家電には値段がつくものもあるはずですが、何もかも目をつぶってお任せ処分にしました。

これらにかかった金額が大体30万程。

金額もさることながら、賃貸元の受付の方やリサイクル業者の方など対応に心削れる。

 

ライフラインの解約

ほとんどのものは電話一本です。

遠方の場合、元の住所に残額の請求書を送ってもらっても困るので自分の連絡先を伝えるとコンビニ決済の支払書と明細などを送ってくれます。

携帯は全国のどこでも良いので最寄りのショップで解約手続きを行います。

ちなみに。父はauユーザーでポイントが溜まっていたので充電器などのアイテムと交換してもらうことが出来ました。流石に別名義へ引き継ぎは出来ません。

高齢一人暮らしだと、宅食を取っている方も多いですが…大手でない限り支払いは振込になってしまうので、手数料も地味に嫌な気分になれます。

⑥戸籍関係で面倒な思いをしたのはすべてこれのため、名義変更。

こちらは遺産にも関わってくる為、正式な除票や相続人の有無を確認する必要があります。

各機関毎に手続きは異なりますが、大体

 ・故人の住民票

 ・故人の戸籍謄本(故人との関係の証明ができる物)

 ・手続きをする人の身分証明

等があればある程度滞り無く終わります。

解約する際は実際に使用していたカードや通帳や何かしらの証明が必要になる場合が多いので、先に電話で解約/名義変更に必要なものを確認してから行かないと二度手間になります。

 

最後に。

こういった手続きを行うと、親族というものが信じられないものになる人も居ると思います。

私は娘という立場でしたが、父の葬儀をまさか1人で負担させられるとは思っていませんでした。

 離別し、親権を失っても私にとっては母や祖母は親族であり、父を見捨てて逃げ出しても親子のつながりは切れるものではありません。間に自分という存在があるのだから、親類で葬儀を行うものだと思っていました。

 しかし、手続きや金銭的負担もすべて私達夫婦が負担しました。母は遅くなるけど、都合すると言っていましたが、あまり信じていません。

 過去に貸したお金も戻らず、正社員で働く夫が居るにも関わらず「自分がパチンコに行って稼がないと家計が回らない」と働かず惣菜を食卓に並べ晩酌をしながらのたまう母に納得がいかないので、肯定することもありません。

 自分という存在は親族の架け橋にならないし、親族から香典も手伝いもなく、むしろ私の友人や父の所属していた町内会の会長さん等が包んでくれた事を考えると、血のつながりなんて本当に薄い物であると思います。(金がすべてという話ではありません)

 ちなみに葬儀の後、別件で祖母に連絡を取る必要があった際「今連絡するとお金の無心と思われるから、私から連絡しておくよ」と母に言われた事、一生忘れません。

 こういった経験は私にとってとても辛く苦しい物ですが、自分の娘には同じ思いをさせないように思い直す良い経験になりました。

 今でも母方の親族と付き合いはありますが、あまり乗り気になっていません。

 今後、少なくとも祖母・母・義父の葬儀が控えている事を考えると心が重くなりますが、責任だけは果たすつもりです。

 

ここまで一気に書き上げましたが、本当に時間のない中色々な所へ赴き、手続きをし、心ない対応に吐き気を催し、苛立ち、お悔やみの言葉すら聞きたくないときもありましたが、ほとんどの手続きを終了することが出来ました。

忌明けとなる今日、天気は雪でどんよりしていますが、これで気持ちを切り替えることが出来そうです。

 

長い文章になりましたが、今後妙な情けをかけようなんておもってしまった際の自分への戒めとして何度でも読み返すつもりです。